現在、
音楽療法士の草分け的存在として
活躍されておられるＴさんは、
その著書の中で、
ご自分が癌の手術を
受けられた時のことを
書いておられます。
その当時はまだ、
痛みにきく音楽について
資料がなかったため、
癌の痛みに効果を
発揮する音楽を、
なんと
自分の癌の
手術後の体で
実験しようと
思われたそうです。
それで、
クラッシックあり、
ポップスあり、ジャズありと、
自分が気に入っている、
これと思う音楽のテープを
入院前の忙しい
準備の中でつくり、
自分が手術室から
出てきたら
これをヘッドホンで
聞かせてねと
娘さんに頼んだそうです。
その効果はどうだったと思いますか？
気分がとても良くなり、
術後の痛みも
ほとんど感じることが
なかったそうです。
その結果、
あらかじめ用意されていた
痛み止めを
ほとんど使うことなく、
快方に向かったとのことでした。
驚いたお医者さんは、
何か独自の痛み止めを
病院に持ち込んで
いるのではと
思ったそうですが、
音楽テープのお陰と
知り、
初めは
信じられませんでしたが、
他の大手術を受けられた
患者さんにも
聞かせてあげたところ、
痛みの引きが早く、
その晩から静かに眠れたと、
大変感謝されたそうです。
お気に入りの
音楽を聴くことによって、
気分が穏やかになり、
痛みがやわらぐ。
そして、
良く眠れるようになる。
また、
よく眠れるようになると
食欲が出てきて、
肉が盛り上がり、
傷のくっつきが早くなる、
という
好循環が起きていた
というわけです。
音楽は
私達の心と
細胞に働きかけて
くれるのです。
何と素晴らしい
ことでしょうか。
